さて、何をするにもある程度先立つものが必要です。
マネーでございます。(アメリカ英語での発音は”マニー”ですが。)
ニューヨークで生活するにもある程度の経済力が必要です。特に就労許可を持たないF-1、M-1等の学生さんの一部には死活問題ですね・・・。
アメリカ・ニューヨークに住みに来る場合、全て個人負担の自費組と駐在員の様に会社が大幅に負担してくれる会社組と、2つに分けられます。
自分の貯金や親のお金を、アメリカに一方的に落とすだけの係、自費組、主に学生ビザ保有者ですね。
駐在員やその扶養家族は、合法的就労ビザに守られ、会社から家賃等への大幅な援助の元、アメリカで稼ぎアメリカに税金を納めます。
グリーンカード保持者やアメリカ市民権保持者は、学費(奨学金・学生ローン含)、税金、雇用機会等全ての面において
ビザ取得者より優遇されます。(まあ当たり前ですが)
できるだけそれぞれの立場から見た平均をお伝えしたいと思います。
その前にもう一つ。大都市では世界中どこでもそうかもしれませんが、ニューヨークでの貧富の差は凄まじいです。
貧富問題については、危険なニューヨーク等もご参照下さい。
管理人の住むアッパーウエストの某地域では、同じストリートでアベニュー1つ挟んで、超高級コンドミニアムとプロジェクトが隣り合っています。
(我が家はちょうど挟まれた感じの普通のアパートです。)
*プロジェクト・・・低所得者用のアパート群でマンハッタンのあちこちにある。市・州から経済的援助を受けている人が多く、その付近の治安は
昼間でも大変悪い所が多い。(詳しくは[!]危険なニューヨーク項で)
では分析開始。
まずニューヨークで一番お金が掛かるもの=学費と家賃、ですねやっぱり。
1.学費(フルタイム=週20時間以上学校へ通う条件)
私立に行くか公立に行くか、語学学校に行くかI-20買うか(Oops)、等で色々違います。
語学学校の場合:$2,000~$15,000+/年
下は激安のほぼビザキープの為の様な学校、訛りのある先生しかいない所とか、上はNYU、コロンビア大等私大のESLコースを
フル1年間で取った場合が目安。
大学の場合:$5,000~$60,000+/年 (教科書代・実験Lab費等でさらに高くなる可能性大。教科書一冊$100超えたりします)
下限は、CUNY・SUNY等の公立短大でF-1とI-20の条件を満たす最低ライン、12クレジットで考えた場合。
公立大学の4年以内の卒業を目指すなら1セメスター18クレジットは取らないといけないので、年間$15,000程度になるでしょう。
尚、公立校の場合、グリーンカード・アメリカ市民権保持者は、経済状況によってタダ、もしくは上限$1,500程度、しかも教科書代等支払ったお金が
返ってくるそうです。いいですね。
ちなみにF-1保持者の奨学金枠は大変狭いです。奨学金のお知らせが来ても、十中八九は応募資格すらありません、
アメリカ人じゃないから。大学レベルの留学生では学生ローンも組むことはできません。上限はもちろんNYU等の私大。
日本で短大・大学を卒業している場合、クレジットをトランスファーできるので、早く・安く卒業できる近道です。
大学院の場合:$7,000~$60,000+/年
大学より下限が低い理由は、公立校にてH-1ビザ取得後フルタイムで働きつつフルタイム12クレジット取った場合。アメリカにがっつり税金払うと
学費がこんなにお安くなります。上限はもちろん私大でフルタイムのMBAプログラムの場合。
テロ後に大変厳しくなったとはいえ、未だにI-20を売っている学校は存在し、学費(実際に授業はないので、授業料ではなくI-20の値段)
$2000/年(さらに安い所も)ほどのようです。ニューヨークでは、学業メインではなくても学生ビザで留学してくる人がとても多いので、
この選択をする人もいるようです。管理人個人としては、決しておすすめできる方法ではありません。もちろん違法です。授業を受ける”学校”が
存在しないわけですから。$2000とはいえ、お金です。価値のあるものに払うべきお金ですから、少し多めに払い、きちんとした学校に通って
小額でもその金額に見合う分の教養・知識を得るべきではないでしょうか。不法滞在の第一歩をこうして踏み出してほしくない、と切に思います。
さて日本の私立医大並みの学費にびびった人達、まだ続きます。お家賃でもびっくりされることでしょう・・・。
2.家賃(1ヶ月の場合。)
新規で借りる場合にはデポジット、セキュリティ、最初の月の分前払い、手数料、保証人がいない場合は1年分の家賃も前払い。
値段は場所と間取りによって大きく変わってきます。
*どの辺りが安全?等については、ニューヨークで暮らす、危険なニューヨークの項をご覧ください。
<一人/カップル暮らし(Studio/1BR)>
ブルックリンやクイーンズ、奥の方:$350~$900(奥の方であれば一人暮らしはお勧めできません)
ブルックリンやクイーンズ、真ん中らへん:$600~$1,200
ブルックリンやクイーンズ、ウィリアムズバーグ等のお洒落エリア:$1,000~$2,500+
マンハッタン、96丁目以北(East side)116丁目以北(West side):$1,000~$1,500
マンハッタン、アッパーイースト:$1,350~上限は無いと思います・・・いやマジで。1BRで$3,000とかも普通。$1,350で見つけたら超ラッキー。
マンハッタン、上記以外:$1,400~同じく天井知らず チャイナタウンの小汚いStudioでも$1,800とか当たり前。
たまーに本当に安く良い物件が出てくることがありますが競争率が厳しいです。(詳しくはNYのアパート項にて)
ルームシェアをする場合、上記の金額より$200~$400くらい引いた分を目安にすると良いはずです。
シェアする人数が増えるほどお安くなりますが、ストレスもその分増えます・・・。
駐在員さんの場合、独身、又は妻子で計3人以下だと、大概マンハッタンの96丁目以南のドアマン付きアパートかコンドで
$2,500~3,000前後のお部屋でしょう。会社によって負担額は違う様ですが、かなり援助してもらえるみたいですね。
勤務先がマンハッタンではない場合、ウェストチェスター、スタンフォード、ホワイトプレーンズ、フォートリー等の郊外の高級住宅街に住む
パターンも多いですね。その場合、マンハッタンの狭さに比べるとびっくりするくらい広いアパートや家に住めますが、家賃はそんなに
変わりません。
3.交通費
意外と値が張るのがメトロカード。回数券からマンスリーパスまで選べます。
1ヶ月地下鉄とローカルバスに乗り放題のマンスリーパスは、現在$104です。MTAと言えば、しょっちゅうストライキだ給料安いだとか文句を
言っていて、サービス(の悪さ)は全然変わらないのにメトロカードの値段だけ年々$10くらいずつ上がっていっている・・・
メトロノース(ウェストチェスター等に行く電車)、アムトラック、パストレイン等は別料金です。マンハッタンまで2時間かかる場所だと、定期券の
月額は$400~500ほどになるでしょう。
タクシーは日本に比べると比較的安いですが、たまーに道間違えたフリしてちょっとぼったくられる。マンハッタン内の移動であれば$20を
超える事はまずないでしょう。
4.電気代・ガス代、電話代、携帯電話代、ケーブル代等。
各々$40~$120/月 くらいですが、サービスプランや季節によっても異なります。必要最低限のユーティリティを考えると、電気・ガス・電話・
インターネットで下限$200ほどでしょうか。
5.食費
これも本当にピンキリ。高級レストランでオーガニックな外食ばっかりなのと、激安スーパーでクーポン使いまくって添加物たっぷりな食材で
自炊しまくるかでかなりの振り幅です。お酒を嗜むかどうかでも結構差が付きます。
普通のスーパーで普通に食材を買い、たまに外食、てな具合だと、$300~$600/月くらいでしょうか。
際限なしに贅沢しまくることも、1ヶ月$100の食費で節約することも簡単にできてしまいますけどね・・・。
この両極端の人達をどちらも普段の生活でさらーっと見かけてしまうので、NYこえーよ、って時々自分の価値観を見失いそうになります。
6.交友費
何かとお誘いも多いっていうか、やたらフレンドリーな人が多いせいか、うっかりしてると銀行の残高見てびっくりします。
現在の管理人の様な、趣味=引き篭もり、の状態ではこのカテゴリーの出費は多くて$100(月)くらいですね。
非日本人ボーイフレンドのいる女の子は色々と出歩いても出費はほぼゼロのはずですが、よく外食する、週末はクラブやバーに行かないと死ぬ、
せっかくできたかわいい彼女に奢りたい、となるとそれなりの出費が見込まれます。駐在さんのピアノバー通いの出費も忘れてはいけません。
7.その他雑費
意外と侮ってはいけないのがこれ。
急に体調が悪くなって病院に行った、パソコン壊れた、家具壊れた、隣人がうるさくて防音材付けた、銀行員に預けたお金盗まれた、
学校の教材費、まぬけな店員が2回チャージしやがった、等など、真面目な日本人には考えられない様な非常事態も時折発生します。
そして、大した額にはならんだろうと高をくくっていると、目が飛び出るような請求書が来たりします。それでもアメリカのすごい所は、
自分が悪くない場合や金額が気に入らぬって時に大体交渉できるということです。もちろん、やりすぎるとクレーマーですが、日本人の
常識の範疇であれば、もう+30%程アグレッシブになっても全然問題無いです。日本人以外の理不尽で非常識なクレームの付けっぷりは
そりゃあ見事なもんです。
しかしいざという時、クレジットカードなし、貯金もなし、だとそれこそ緊急帰国も考えなければならなくなるので、気を付けましょう。
経済的サポートをしてくれる親や配偶者以外の他人とのお金の貸し借りは絶対に止めましょう。特に日本人以外が相手だと揉めに揉めることも。
アメリカで口約束ほど恐ろしいものはありません。(詳しくは危険なニューヨークを参照)
ここまで読んできて出費額の高さに驚かれた方もいると思いますが、ほぼ全て実際の体験と各オリジナルのソースを参考にしています。
嘘ではないです。私自身、自分が親に散財させてきた額を改めて見て罪悪感でいっぱいです。
しかし、50万ほどの貯金のみで自力で渡米してくる若い子も最近はとても増えている様です。ワーキングビザではなく学生ビザでこの金額は、
ニューヨークに来てからかなり苦労することになるはずですが、不可能ではありません。詳しくは各項目を読んでみて下さい。