このページは、これからお子さんをアメリカ・ニューヨークに留学させようとしている保護者の方や、
現在留学中のお子さんを持つ保護者の方へのメッセージですが、参考にしたい方も皆さんお読み下さい。
各ページで色々と書いてきましたが、アメリカ・ニューヨークに留学することは、楽しくて良い人生経験と言っても間違いありませんが、
その反面、悪い刺激・誘惑も大変多く、言葉の壁、経済的な問題などもあり、若い日本人留学生がまるでフィクションの様に最悪な形で
挫折していくところを見たのも一度や二度ではありません。
管理人が渡米当初から知るある人が、二十歳そこそこである事件に巻き込まれました。
当時の私達を知るニューヨーカーがこの事件を知った時、「That's New York...」と言ったのが忘れられません。
お互い未成年で留学してきて、大都会ニューヨークに圧倒されつつも頑張っていた矢先でした。
管理人自身はなんとか今まで、大きな事件や事故にも巻き込まれず無事にやってこれましたが、これも全て日本の家族、
特に両親の全面的なサポートがあったからこそです。
少々教育熱心で厳しい両親でしたが、反対されると思った留学にも二つ返事で賛成してくれました。
物事の善悪と、普通に真面目に生きることの難しさをしつこく教え込まれていたおかげで、未熟な田舎者の私が色々ありつつも
無事にニューヨークで自分を見失わずに生きてこれたのだと思います。
もしお子さんにとって初めての留学でしたら、どうか精神的・経済的なサポートをよろしくお願いいたします。
「大丈夫!問題ないから」、と自信満々で旅立っても、強い子と言われてきた子でも、もしかしたらうっかり
泣きながら電話をかけてくるかもしれませんし、全財産を盗まれて明日食べるものに困るかもしれません。
自分から留学したいと言った以上、自分に課したある程度の結果を出さずには帰れない、と小さなプライドもあります。
ご両親の住む平和な日本に逃げ帰りたくても、飛行機で片道14時間です。すぐには帰れません。
英語が話せず意思の疎通ができなくて、馬鹿にされたり嫌な思いもたくさんします。
軽くホームシックや鬱にもなったりします。
日本ではありえないほど、でかすぎる壁にブチあたっては砕け、行き詰っては戻り、乗り越えようとすると落っこちて、
踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、四面楚歌どころか上下も塞がり、六面楚歌状態になったりもします。
それでも、常に絶対に揺るがない家族のサポートは、感謝してもしきれないほどありがたく、本当に心強いものです。
愚痴を何時間も国際電話で聞いてくれた後、「いつでも帰って来ていいんだからね」、とぽつりと付け足す両親を疎んじながらも、
その一言にどれだけ救われたでしょう。(あまのじゃくな管理人は、それを聞く度に「よっしゃー!もうひと頑張りせねば!」となりましたが・・・。)
ちょっと照れくさい表現ですが、家族の愛と言いますか、まあその心の底からいつも心配してくれていざという時には必ず助けてくれる、
そういう無償の愛的なサポートが大変助けになるわけです。
ニューヨークで生きていくには、たくさんの種類の[強さ]が求められます。
資本的な強さ=お金で何でも解決できるとは言いませんが、ある程度の事は解決できてしまうのも事実です。
身体的な強さ=アメリカの病院代は非常に高いです。そして、ちょっと意味は異なりますが、美しさ、というのも大事な世界共通の強さです。はい。
精神的な強さ=人種問題(アジア人への偏見はある人はあります)や言葉の問題は日常茶飯事なので、一々反応しない毛の生えた強靭な心。
頭脳的な強さ=先見の明を持って危険を回避したり、知識を増やす事で保身できることはたくさんあります。
最初から持っているものなど知れていますが、ニューヨークの荒波にもまれていくうちに強くなっていきます。
でもご両親のサポートなくしては強くするのは難しいことばかりです。
長く生きていて人生経験が多い分、アドバイスできることはたくさんお持ちのはずです(謙遜なさっていても絶対にあります)。
お子さんが大きな岐路に立って、どちらが自分にとっての幸せか迷う時、良い方向に背中を押してあげられるのもご両親です。
お子さんが留学中のご家族の心労や出費は相当なものかと思われます。
留学生を代表し、元留学生として心から謝っておきます、本当にすみません。
でも、ニューヨークは舵を違えて方向を迷わなければ、得ることがとても大きい街でもあります。
生きている実感と躍動感で、あふれんばかりのパワーを発揮できたりもします。自分の努力が目に見えて評価もされます。
可能性って無限大なんだ、と本当に感動することもあります。物事を世界レベル・宇宙レベルで考えるようにもなったりします。
管理人は、高校時代に嫌いになりすっかり止めてしまった勉強への熱意がメラメラになってしまい、当時では想像もつかなかった、
知能を使う道に進んでおります。留学していなければ、家族の有り難味も理解できずに、一生反抗期で親不孝な人生を
送っていたかもしれません。
短期留学であっても帰国後外資系企業に好条件で就職できるなど、アメリカ留学の利点はたくさんあります。
ただニューヨークという街は、あまりに両極が離れすぎていて、お互いの先からもう片方の先を見ることは不可能に近いほどです。
正直今でも、ボストンにしておけば良かったかな、とボストンの潮風に吹かれておいしいロブスターを食べるたび思います。
ニューヨークみたいに、晴れの日なのに、白濁した緑色の水溜りが道路わきにあったりすることもないですし。
人種が多すぎて階級差が付き過ぎているニューヨーク以外にも、アメリカ留学はもちろんできます。
ただどうしてもニューヨークを選んでしまったら、引き際を見極めること(つまり悪い方向に転ぶ前に帰国する決断ができること)を
大前提に、お子さんの留学を応援してあげて下さい。
以下、少し厳しい言い方になりますがすみません。
通常一般的なF-1学生ビザは5年出ますが、この引き際を見極められないお子さんには、5年は長すぎるかもしれません。
5年間あれば、語学留学だった場合でも、きちんとした語学学校、例えば大学の付属のESL等に通っていれば、必然的に大学入学レベルの
英語力がつき、そのまま大学の専攻学部へと移行できているはずです。はっきり言って、民間の語学学校には5年間も勉強することは
まずありません。そしてアメリカでの将来性もまず見込めません。突出した才能があれば別ですが、アメリカもがっちりとした学歴社会です。
就職時には、卒業大学の名前どころか、在学中の成績が大きく影響します。アメリカで大学に進学しないのであれば5年の留学は長いです。
ニューヨークで、日本の安全レベルに近い所に住んできちんと勉強して、となるとどんなに最低でも1ヶ月日本円で20万円はかかります。
(節約してギリギリ生きていける状態で、遊ぶお金や贅沢できる余裕はほとんどなし。)
それより低い水準で生活が成り立っている場合、何かを犠牲にしている可能性が高いです。
治安の良くない所に住んでいたり、バイトに勤しんでいたり、学校に行っていなかったり(学生ビザはフルタイムの学生の為のもので、
学校に行っていないことは法律に反します)、駐在員の愛人をしていたり・・・。
善悪の判断やモラルの基準は人それぞれですが、法律を破ったり人を欺いたりしてまでニューヨークに留まるのなら、それ相応の高いリスクが
伴います。(*管理人は、あくまでも不法なことには一切反対の立場で通させていただきます。)
確かにニューヨークには、不法状態から世界的実業家まで成り上がった方々もかなりいらっしゃる様です。
それをよしとするかしないかは、各個人とご家庭の教育方針と考え方の違いなのでこれ以上は止めておきます。
ただ就労資格のない留学生がアルバイトする場合、職種や条件が限られてきます。
短大・大学・大学院に在学していれば、学校内でバイトできたり、リミット付きの就労許可をアメリカ政府よりもらえたりします。
しかしそうではない人の場合は全て不法でバイトをしていることになります。バイトしてるから大丈夫、とご家族を心配させたくなくて
言っているお子さんも多いでしょうが、学校外のバイトでCPTがなければ、それは全て法律を犯しているのが現実です。
日本食レストランバイトはわりと健全ですが、悪い方向に行くと、ドラッグの売買や、女の子であれば風俗業界などに足を踏み入れて
しまうケースもあります。日本人以外の人種がかかわってくると、さらにもっと恐ろしい展開もあります。
日本人の、特に若い女の子であれば、びっくりするくらい全ての人種から大変モテます。
その為、ハメをはずしてしまったのか、“イエローキャブ”(本人は遊んでいるつもりでも実際は遊ばれている)状態に陥る
日本人女性は少なくありません、残念ですが。
統計学的に、アジア人のHIV感染率は全人種の中で今のところ最下位です。しかし黒人の感染率は非常に高く、白人もそれなりに
HIVキャリアがいます。ニューヨークにはありとあらゆる人種がいて、HIVに感染している人口も日本の比ではありません。
そして、性病に関する知識が乏しく危機意識の低い人ほど、不特定多数との性行為を避妊無しで行いがちです。
自分の子は大丈夫、と思う方もいらっしゃると思いますが、他人種との恋愛絡みで、金銭トラブル、ドラッグ、病気、などの問題を
抱えてしまうのは、派手な子ばかりではありません。地味でおとなしい子でも、付き合う相手によってどんどん変わっていきます。
(これは日本でも一緒ですね。)
最近は留学もどんどん身近なものになり、以前の様に親が数百万から数千万の貯金を用意しなくても、自分の少ない貯金で
気軽に留学して来る若い人がとても増えています。しかし、管理人の来た当初(10年以上前ですが)に比べ、現在のニューヨークの
家賃、学費(公立校)共に著しく跳ね上がっています。その分、本来の渡米目的よりも、ただ生きていくことだけを優先させねばならず、
苦しんでいる学生がたくさんいる様です。
大切なお子さんをニューヨークに送り出す前に、ご家族でしっかり話し合いをされることをお勧めします。
そして渡米後も連絡を取り合って、お子さんの状況を把握しながら、精神的、そして経済的なサポートをよろしくお願いいたします。
全ての日本人留学生の皆さんが、安全に有意義なアメリカ・ニューヨーク留学を経験できることを、心から応援しています。
管理人